9月下旬になりました。
前回の記事でも書きましたが、9月は次のシーズンを見据えた体作りのスタート時期です。ここでいち早く変えていけるかどうかが3ヶ月後、半年後の結果に出てきます。
体作りというと、身長を伸ばしたい人が多いと思います。
ここで国立研究開発法人 国立成育医療研究センターにアップされた研究をご紹介しましょう。
日本人の平均身長は低下傾向―低出生体重児増加が影響している可能性あり―
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
1969-2014年に生まれた児の出生時の状況と、成人後身長の平均の年次推移を調べたところ、1980年以後に生まれた成人の平均身長は低下しており、低出生体重児増加も一因になっている可能性があることを示した。
身長の約8割は遺伝的に決定されるが、約2割は栄養状態や健康状態などの幼い頃の生活環境で決定されるため、成人身長はこれらの幼少期の環境の指標になるといわれている。
この研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構の「低出生体重児の発症機序及び長期予後の解明に関する研究」(代表 森臨太郎)の一部として行われ、2017年8月19日にJournal of Epidemiology & Community Healthで発表されました。
2014年生まれと言うことは2023年の今、9歳になる年ですね。これから成長スパートが始まる時期です。それより上の年代まで研究対象となっていますので、今のジュニアスイマーにとって、未来が想像できるデータで、何より身長は出生時の体重がかなりのポイントになっているのがわかります。
実は私、出生時の体重は2505gでした。2500g未満を「低出生体重児」と言いますから、たった6gの違いで免れたという小さな赤ちゃんでした。でも今を知っている方は驚きますよね。存在感ありすぎですから(笑)。身長も162cmです。2019年の国民健康栄養調査の女性40~49歳の平均身長は158.1cmですから平均身長よりも高くなります。
ちなみに予測身長を両親の身長から計算すると160cmです。つまり遺伝で考えられる予測身長より伸びているということになります。うちは小さく産んで大きく育てるの典型だったのかも知れません。朝、夜は白米、昼は給食(土日はパンや麺類)の主食、おかずは安く購入できる食材でどっさりでした。成長スパートの時にしっかり伸びるように、その下準備の時期から当たり前のように食べていたということです。
何事も準備が大切。
身長が伸びない理由はカンタンです。
身長が伸びるほど体重が増えていないということ。
育ち盛りのジュニアスイマーが体重を増やさず、また体重を落として身長だけ伸ばしたいと言うのは、西から太陽が昇るようなものです。
どれだけ食べる工夫をして、子どもが食べる意味を理解しているか
それで食べ方が変わり、食べるものが変わります。
そんな私も中1~中2までミリ単位でしか伸びなくて、もう無理なんだろうなと思っていました。ところが競技を辞めたら身長が中3でまた伸びたのです。中2の合宿を見ると、中1よりもスレンダーになっています。体重も増えていなかったと思います。
私は中学生選手の時、食べている量と運動量があっていない間は身長が伸びる時期を逃した
といえます。たまたま競技をやめ、活動量が減ったことで身長によい影響をもたらしました。もし、そのまま競技を続けていたら、その1cmが伸びなかったと思います。
2016年~2021年まで【アスレシピ:アスリートのためのスポーツ栄養・食育サイト】【日刊スポーツ新聞】へ公認スポーツ栄養士 松田幸子が提供したジュニア競泳選手・部活弁当のコラム・レシピからシーズンやスケジュールにあわせた内容を追記してご紹介しています。
今回ご紹介する メカジキのピリ辛サイコロ はご飯が進む味付けになっています。たんぱく質も1食分で23.7g。エネルギー量は483.5kcalです。ご飯250gでたんぱく質は6.3g、エネルギー量は390kcal(データ参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂))です。この2品で30gのたんぱく質がとれますから、後はビタミン・ミネラルを補給する野菜類を副菜や汁物で添えればよいですね。
小、中学スイマー、また体がまだ小さい高校生スイマーには同じイメージ(30g)で3食食べていけば、十分なたんぱく質量になるでしょう。もちろん補食がとれるならさらに心強いですね。